
ホワイト大企業社員の朝は・・
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VAPECHK運営のこと
私が超有名ブラック企業に就職して数年の月日が流れました。いくら数字をあげても毎日リセットされるノルマ、上からはムチを打たれ、そして部下にはムチ打たなければならない日々に疲れ果てた私は転職を決意しました。一般的には日本の転職市場は上流から下流に下っていく事しかできません。規模や業績という観点で、今より「いい会社」に入る事は困難を極めます。(個人への待遇や居心地の良さややりがいとは別の話です)
採用コスト、志願者の選定にコストをかけられない中小や零細企業は「大手の選考をパスした事がある人」や「事実がある」というだけで、有る程度その人を信用し採用を行いますが逆はなかなか無いと思います。それなりの学歴を積み、新卒で入社する可能性がある大企業を社会人生活のスタートとするならば、おそらくその最初に入った会社がサラリーマンにとってのキャリアハイになることが多いことが実情だとおもいます。
しかし私の場合は、元々何も持たない雑草でした。若いころの私は強さとは何かを履き違えた、すさんだ、チンピラでした。悪そうな奴らはだいたいトモダチ!って歌をかっけえとおもっていました。麻雀の腕前やお馬さんの目利きぐらいしか誇るものの無かった私は、
「こんな俺でもスーツとか着てオフィスで働く感じのビジネスマンになりたい」
というボンヤリしたビジョンだけはありまして、ブラック企業の採用側の「稼いでくれるなら電信柱でも採用する」といった需要と供給が見事に一致し、結果ブラック企業のセールスマンになったわけなのです。そう、スタート地点が既にゼロか或いはマイナスだったのです。
しかしながら、誰もが認める過酷な環境の企業で数年勤めあげることによって、いつのまにか「過酷な環境に耐えられた信用」という報酬も同時に得ていたようです。本来ならば入れるはずのない、ホワイト企業にうっかりともぐりこむ事ができてしまったのです。
採用担当者「話を聞いて理解しました。あなたは根性がある。顔つきもいい。色んな約束を守り続けた人なんだと思う。今回は本当は地方採用の選考なんですが、本社勤務でどうでしょう?東京にこれますか?ぜひうちの中枢で活躍してほしい」
・・
・・・
・・・・・(半年後)
~ホワイト大企業社員の朝~
せっかく手に入れたゴールドチケットとチャンスで身が引き締まっていたのもつかの間、私はすっかり環境に適応していました。ユルい社風にも関わらず約束された厚い待遇から当時の私はすっかりと牙が抜け落ち要領だけがよくなっていました。
まず起床は始業開始後になってしまうことが多々ありました。
起きたら9:30とか10:00とかでした。そうなると先ずは会社に電話をかけます。
私「もしもし、私ですが」
事務員「あ、おはようございます、私さん。」
私「部長か課長いますか?」
事務員「どちらも、まだいらっしゃってませんねー」
(部課長が会社に定時に出社している事はごく稀でした。直行直帰であることも多く、朝礼のある日を除いて、朝から彼らを会社でみかけたことはめったにありません。居るわけないという前提で呼び出しをかけています・・)
私「ですよねー・・、じゃあ、S君いますか?」
事務員「はい、繋ぎます~」
S「あ、おはようございます」
私「おはようございます、S君、ちょっと申し訳ないのですが、昨日ホワイトボードに行き先を書き忘れていたんで代わりに書いておいてくれませんか、行き先は×××と○○○。帰社時間ですが15:00ぐらいだと思います」
S「わかりましたー」
ガチャ
・・・・これで結論としては15:00に出社すれば帳尻があう事になりました。
こういう時、15:00まで何をしているかに関しては、時期やタイミングや体調次第で決まるのですが、ここでは敢えて具体的に書かず割愛させて頂きます
15:00
私「おつかれさまです」(事務所IN)
内勤一同「お疲れ様です~」
営業事務「すみません、私さん、稟議書が溜まっているんで決済お願いします」
私「はい、ちょっと待って下さいね」
当時の私の役職はヒラでした。しかしながら、紆余曲折を経て、めったに会社に居ない課長印と部長印の管理と実質的な決済権限をほぼ譲渡されていました。彼らには現場のできごとの詳細は何もわからないので、どのみち最終決断の前に私に内容の是非について尋ねてくる事が多く、だったら、もう判子は私が押しておいてよ!溜まっちゃうから!という流れが出来上がっていました。
私が出社すると、私の席には稟議書に印鑑を押してもらうための行列ができる事もありました・・。どう考えても異常な事態なのですが当時の私は悪い気はしませんでした。
社員A「おねがいします」
私「はいー!(印鑑ポチー!)」
社員B「おねがいします」
私「はいっ(ポチー!)」
社員C「おね」
私「ポチー!
16:00
このぐらいの時間になると、企画部だったりデザイナーだったりSEだったり、仕事における成果物が数値化されにくく締めきりも長い部署の人たちが出社してくる時間帯です。彼らは定時に会社に現れる事はめったになく、午後からやってきて、残業代を貰う為に夜遅くまで事務所に居残る人が多くいました。(そして会社にはそれを惜しげもなく支払う余裕がありました・・。)
私は彼らから新製品の情報やFOBベースの本当の原価や、致命的なバグについて、公式にはアナウンスできない保証対象外のやり方ではあるが即効性のある対策方法についてなどのクリティカルな情報を得なければならないため、親交を深めておく必要がありました。
具体的には社内野球チームへの参加、フットサルチームへの参加、格ゲー大会への参加や社内にいくつかある喫煙所のハシゴなどによってです。その為、私は彼らと週末の予定について話あったりするため、社内を忙しく巡回する時間帯でした。
17:00~
日によっては部長や課長がやってくる時間帯です。彼らは主に部課長会議で使う資料の制作をしなければならないのですが、資料の制作は実質私が請け負って代行して行っていた為、その微調整についての打ち合わせなどを行っていました。会議は毎週行われるのですが、ネタ自体はそんなに毎日あるわけではないので、それをどのように薄めて、長持ちさせるかについての話し合いが多かったように思えます。私は担当企業の座席表を毎月入手するルートを確立させていた為、担当先企業の栄転情報や左遷情報に関しては確度の高い正確無比な情報を所有していましたので、本来ならそれはたった一回の報告で済むのですがそれをどうすれば4回に分けて、一カ月もたせられるかなどについて協議していました。取引先に、某財閥の御曹司が政略的に入社してきているので彼は立場上ヒラだけどただのヒラじゃないから要注意やで、という数秒で済む話を3週間にわたって引き延ばしたときは、
私は何をやっているんだろう。
何をやりたくてこの会社に入社したんだろう。
と思い悩む事になりました。
江戸幕府が開かれる前、
豊臣政権が崩壊したわけなのですが実質的な権限を持ちながらも、収入や軍事力などの実質的な力が与えられていなかった石田光成という豊臣政権の官僚がいます。彼は関ヶ原の戦いでの敗者として日本では有名なのですが、私は当時の自分と彼に非常に近しいものを感じており危機感がありました。
・・この頃から、実質、判子を押しているのはだいたい私なのですが、実際の部課長は私ではありませんし報酬も権限も正当に与えられているわけではないのですから、いずれなにか政変が発生した場合、厳しく罰せられる可能性がありました。
そこで、
そもそもこの会社のやっている商売は自分にもできるのではないかと思い始め、サラリーマンとして在籍しながらも家族の名義で自分の会社を設立しました。外語を勉強しはじめたり、他国で法人をつくる方法について学び始めたのもこの時期です。これがVAPECHKの前身です。
・・ホワイト大企業の多くは個人技よりも集団での協調性や調整力が求められますし、言い換えれば責任の所在があやふやです。そして報酬体系や人事制度に関しては年功序列によって運営されていますが、これは良く言えば将来の安心が保証されていると考えることもできますが、悪くいえば実質的に活躍している若手がベテランに搾取されていると言い換えることもできるかもしれません。
結果的に私はこの企業が合わなかった(居心地は大変よろしかったのですが)ので、自分の設立した会社に専念する為退職する運びとなりましたが、会社の合う合わないに関しては人それぞれ適性があるものだとおもいますし、大企業の多くがホワイト扱いされるのは多くの日本人にとってはそれが適しているからなのではないかなと思いますので私の話は、奇人変人の感想のひとつとして参考にして頂ければ幸いです。
以上、長くなりましたが大企業で働く社員の生活について私が経験した事をお話させて頂きました。次回はVAPECHKで働く人の朝についてご案内させて頂き、このシリーズを完結とさせていただき、具体的な募集要項をご案内させて頂きたいと思います。よろしくお願い致します。
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